イタリアの保育園は何歳から?│入園するにはどうする?

ABOUT US
chia
イタリア在住10年目│元イタリア企業勤務│2人の息子はレッジョ・エミリア教育の保育園・幼稚園│14年の付き合いのイタリア人男性と結婚9年目

世界的に知られる幼児教育法、
モンテッソーリ教育やレッジョエミリア教育が生まれた国、イタリア。
実際はイタリアの保育園・幼稚園事情ってどうなの?

chia

イタリアで保活をした2児の母の私が、ご紹介します。

イタリアの保育園・幼稚園

イタリアで、小学校入学前の未就学児のための就園施設は、
以下の2種類あります。

Asilo nido ― 0歳~2歳
Scuola d’infanzia (Scuola materna) ― 3歳~5歳

当ブログでは便宜的に、「Asilo nido」 を「保育園」、
「Scuola d’infanzia」 を「幼稚園」と訳しますが、
日本の保育園・幼稚園の制度とは違うものだと思ってください。

それぞれに公立と私立があります。
公立 ― 市立、州立、国立
私立―民間の組合や教会が運営する施設、企業内の預け入れ施設など

また、保育園と幼稚園のどちらも運営している施設もあります。

イタリアの保育園は何歳から?

イタリアでは、生後3ヵ月から保育園に預けることができます。

レッジョ・エミリア教育で知られるレッジョ・エミリア市の場合、
55%の乳幼児が保育園(0歳クラス~2歳クラス)に通い、
95%の幼児が幼稚園(3歳クラス~5歳クラス)に通うそうです。(2022年度)

イタリアの全国平均では、保育園(0歳クラス~2歳クラス)に通う子どもの割合は30%を下回っています。
レッジョ・エミリア市に住む乳幼児の保育園通園率は、全国平均をかなり上回っていると言えます。

幼稚園の卒園は6月で、
卒園時に月齢が一番大きい子どもは、6歳5ヵ月になっています。

保育園・幼稚園探しは、いつ始めたらいい?

イタリアの学年度の始まりは、9月です。
2024年9月入園の場合は、学年度は2024/2025年度です。

9月入園で就園を始める子どもが、一番多いです。
私の町の場合、2024年9月に入園できるのは、以下の年月生まれの子ども達。
【保育園】
・2023年(1月~12月)生まれ
・2024年(1月~12月)生まれ
・2025年(1月~5月)生まれ
【幼稚園】
・2019年(1月~12月)生まれ
・2020年(1月~12月)生まれ
・2021年(1月~12月)生まれ
・2022年(1月~4月)生まれ ※早期就園

対象の子どもがいる保護者向けに、オープンデーが開かれます。
前年度の1月頃から開催されることが多いです。
公立や、民間の組合の園でも利用料の一部を市が補助する園の場合は、
市のWebサイトで情報を集めておくことをおすすめします。

申し込み時期は、幼稚園が1月、保育園が4月から。
これも私の町の場合なので、お住いの町の申し込み時期を事前に確認しておくとよいでしょう。

入園申し込みをするには、何から始めたらいい?

まずは、希望する園のオープンデーに行ってみるとよいです。
お住いの自治体が運営するWebサイトや、近隣の私立園のWebサイトで情報を調べましょう。

入園の申請は、レッジョ・エミリアではオンラインのみ可能です。
申請には、子どもの納税者番号や、母親と父親それぞれの就労状況などの情報が必要でした。

長男が保育園に入園するまでの流れを、参考までに書いておきます。

STEP

入園申請
時期:4月中旬~6月上旬
希望する園を選択し、オンライン申請

STEP

点数の公開
時期:7月上旬
入園希望を申請した子どもの点数が公開される

STEP

点数の再審査
時期:7月上旬~中旬
仕事や健康状況の変化で点数の修正が必要な場合はここで修正される

STEP

園の割り当て
時期:7月下旬
点数が高い子供から順に希望の園に割り当てられる

STEP

保護者面談
時期:8月下旬
入園が決まった園の担任と個人面談

STEP

入園
時期:9月上旬
慣らし保育の開始

保育園・幼稚園の入園はポイント制

上の入園申請の説明でお気づきですよね。
入園は、点数方式で決まります

レッジョ・エミリア市では、
両親がフルタイムの共働き、非雇用者であればポイントは高く、
フルタイム>パートタイム
被雇用者>自営業やフリーランス>無職
泊りの出張が多いと追加のポイント、と言うように加算されました。

シングルマザー・シングルファザーの家庭、
就園する子ども本人や親に身体・健康上の問題がある場合は優先。

ポイント制のデメリット

入園希望者が入園可能な人数を上回るのであれば、
就園をより必要としている家族が一般的な点数で分かるので合理的です。

実際にイタリアの保育園で他の家族を見てきて、
サポートしてくれる祖父母が近くにいるかが、育児と仕事の両立のキーポイントに
なっていると感じます。
その点については、この点数方式ではあまり重視されません。

個人の状況を細かく見れば、事情は複雑です。
自営業でも時間に融通が利くとは限らないし。
日帰り出張でも早朝から深夜まで家を空けるのであれば育児に参加できないし。
働きたくても子どもが保育園に通っていなければ就職は厳しい。
点数方式は、完璧に機能するわけではないですね。

イタリアも保活は大変ですね。