イタリアで家事代行サービスを頼む

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chia
イタリア在住10年目│元イタリア企業勤務│2人の息子はレッジョ・エミリア教育の保育園・幼稚園│14年の付き合いのイタリア人男性と結婚9年目

キレイな住宅環境を保ちたいという思いと、時間や手の足りなさ。
我が家を葛藤から救ってくれていたのが、家事代行サービスでした。
長男のときに夫婦で模索して、次男が生後5ヵ月でフルタイム勤務に復帰した時には
家事と育児の必要な外注化が整っていました。

CHIA

私は、家事代行のお手伝いさんに週2回(2時間×2回)
固定の曜日と時間に来てもらっていました!

イタリアの家の掃除事情

イタリアの家の掃除は、クイックルワイパーでさっと床をなでるだけでは済みません。
室内で土足の文化ですし。

ミラノなど北イタリアでは、スリッパに履き替える習慣がある家庭も多く見られます。
それでも、来客があれば人が土足で入って来ます。
当然のことながら、床は泥ですぐに汚れて黒ずむ

タイルを敷き詰めた床や、大理石、フローリングの床を
水で薄めた床用洗剤を付けたモップピカピカに磨きます

窓枠や扉の枠、壁に掛けられた数々の絵画や棚に飾られた調度品には、ホコリが積もりやすい
それも、きれいにホコリを払います。

水回りの事情も日本と違います。
硬水なので、蛇口やシャワーヘッド、シンクは、水垢汚れが目立つ
それにも関わらず、シャワーボックスはガラス張りが人気。
ピカピカな美しさを保つ方法は、水滴を残さず拭き取ることです。

おまけに、有名なイタリアの洗濯事情。
下着にまでアイロンをかけるイタリア人の話は、聞いたことがある方が多いですよね?

共働きカップルの救いの手 お掃除サービス

そこで共働き家庭の支えになっているのが、家事代行(ハウスキーピング)サービス。

ハウスキーパーはイタリア語で
collaboratore domestico/collaboratorice domestica(コラボラトーレ・ドメスティコ/コラボラトリーチェ・ドメスティカ)』または colf(コルフ)と言います。

donna delle pulizie(ドンナ・デッレ・プリツィエ)も使われるけれど、いい言い方ではないです

イタリアで需要が多いのは、以下のようなサービス:
・掃除
・洗濯
・アイロンがけ
・買い物・料理
・ペットの世話

私の元同僚や夫の友人など同世代カップルは、掃除サービスの利用が多いです。
イタリアの一般的な夫婦は、共働きの収入で平均的な生活を送っています。
彼らも、夫婦共にバリバリ働いている中流家庭。
世帯収入は平均を少し上回るくらいで、贅沢な生活をしているカップルではありません。

イタリアの家事代行サービスの相場

家事代行には、通い住み込みがあります。

一般的な家庭での住み込みサービスは、
介護が必要な高齢者と住んで身の回りのお手伝いをするヘルパーが多いです。

一般的な子育て世代の家庭は、通いの家事代行を週に1~2回利用します。

料金は、個人契約1時間10ユーロ前後、清掃会社を通すと1時間25ユーロからが目安です。
ハウスキーパーの手取りは、1時間7~12ユーロが目安

依頼者側が支払う金額は、個人契約清掃会社を通すかで異なります。

家事代行はどうやって探す?

イタリアで、我が家のように週に1~2回程度の通いの家事代行サービスを利用するには
清掃会社に依頼するよりも個人契約が主流です。
知り合いにお手伝いさんを紹介してもらうか、マッチングサイトで探すのが主な方法です。

知人に紹介してもらう

コネや紹介がものを言うイタリア。
ハウスキーパーも、知人に紹介してもらうケースが多いです。

自宅に出入りすることをふまえての安心感がありますね。
合鍵を渡し、留守中にも出入りしてもらうのれあればなおさらのこと。

個人契約で家事代行を頼むと、掃除スキルには差があります
「仕事が早く、しっかり清掃にしてくれる」と知人のお墨付きであれば安心です。

集合住宅に住んでいるのであれば、同じコンドミニアムの住人ポーターに聞くのも手。
私も、まずは同じ階の住人に聞きました。
「(定年して時間に余裕があるから)私は今は家事代行は呼んでないのよ~」と言われたけれど
ご友人が知っていたお手伝いさんの連絡先を教えてもらいました。

マッチングサイトで探す

結局のところ教えてもらった電話番号は連絡が付かなかったので、並行して登録していた
マッチングサイトで見つけた方に、来てもらうことになりました。

chia

長男の妊娠中期に転職をして今の町に引っ越してきて、産休からのコロナ禍。
そのような状況で、この街には知り合いもコネもありませんでした。

登録したのは、地域を選んで家事代行の仕事をしたい人とマッチングできるプラットフォーム。
マッチングサイトは、近隣に住んでいて仕事を探している人が簡単に見つかるので、
できるだけ早く依頼したい!と言う人に便利。

マッチングサイトのデメリットは、登録している人に差があること。
仕事ができて信頼できるお手伝いさんに出会えるかは、宝くじのようなもの。

気になったプロフィールの方とコンタクトを取って、6人の方にトライアルで来てもらいました。
そのうち、4人の方には継続して来てもらいました。

clara

まずはトライアルで働いてもらって仕事の仕方や人柄を見て、
相手にも仕事内容、家の環境や報酬を確認してもらうのがいいにゃん

定期で来てくれていたお手伝いさんが継続できなくなったら次の人を探して、
我が家にはこれまで、1代目から4代目までのお手伝いさんがいました。
(時間が合わなくなったり、体調不良や他の仕事を始めた事情で辞めていきました)

私が実際に利用したサイトはこちら
家事代行サービスのマッチングサイト

ベビーシッター、自宅介護、掃除、ペットシッターのマッチングをするプラットフォームです。

イタリアの家事代行サービス事情

日本では、ダスキン、カジタク、ベアーズなど家事代行の大手企業が
業界を牽引している印象です。
一方イタリアは、個人契約が主になります。
イタリアの家事代行サービス事情は、日本とはかなり違うのでポイントをチェックしてください。

掃除用具や洗剤を揃える

個人契約が多いイタリアのお掃除サービスは、
依頼者の自宅にある掃除用具や洗剤を使って掃除が行われることが多いです。

初めて依頼した時、私はイタリア式の掃除や清掃用品をあまり知らなかったので、
イタリア家庭でホコリ拭きによく使われているクロスや、ガラス窓拭きに適した洗剤が欠けて
いました。
通ってくれていたお手伝いさんが「自分で持参した物を使うほうが掃除の効率がいい」と言って
掃除用クロスや窓掃除用のアンモニア水を持参してくれていました。

時間内で効率的な掃除ができるよう、
基本的な清掃用品は揃えておいたほうが無難です。

契約を交わさないことが少なくない

イタリアの家事代行サービスの現実は、
正式な契約を交わさずに不法な就労によって行われることが少なくないのです。

・依頼主側は費用を抑えたい
・雇われる側は手取り額を減らしたくない
・契約や解雇の手続きが面倒
・契約の仕方がわからない
・違法なのをよく分かっていない

上記のような理由があります。
違法なのをわかっていないと言うのは、イタリアに来たばかりの外国人の場合もあります。
トライアルで来てもらったイタリア人の方に、失業手当や生活保護を受けているので
雇用契約はできないと言われたこともありました。

目先の金銭や容易さを考えるとわからなくもないけれど、
お手伝いさんが清掃中に脚立から落ちて怪我をしたらどうする?と思います。

契約を交わす時にハウスキーパーは以下のような書類が必要です。
・身分証明書
・納税者番号
・滞在許可証(外国人の場合)

ハウスキーパーの70%が外国人

イタリアで家事代行の仕事をする人の70%近くが外国人です。
多いのは、ルーマニア、ウクライナ、モルドバなどの東欧、フィリピンの人。
通いよりも、住み込みのヘルパーさんのほうが、外国人の割合が多いです。

我が家は、イタリア人、キューバ人、セネガル人、モロッコ人のお手伝いさんに通って
もらいました。

「イタリア人のほうが安心」という理由でイタリア人のハウスキーパーは人気で時給も高めだそう。
実際には家事のクオリティが高く、仕事が早く、信用できる人かどうかは国籍で判断せずに
仕事を依頼しないとわかりません。

快適に家事代行を依頼するコツ

私はハウスキーピングの利用が初めて人を雇用する側になったのも初めてだったので
依頼しながら家事代行サービスを知っていきました。

依頼主側として大切なポイントは、以下の5点です。

  • 業務の優先順位を伝える
  • 要望をはっきり伝える
  • して欲しくないことを具体的に伝える
  • 細かいことを気にし過ぎない
  • 貴重品は出しっぱなしにしない

紹介やマッチングサイトで相手の電話番号を教えてもらったら、まずは勇気を持って電話する。
一度電話で話した後は「WhatsAppで連絡していい?」と聞いて了解をもらって
メッセージのやり取りをすればいいです。
会う前にある人柄を知るためにも、電話は必要。
相手の了解を得ていないのに勝手にチャットアプリで探してコンタクトを取るのは失礼ですしね。

まずは試用期間(prova)として来てもらい、お互いの都合を確認します。
要望は、はっきり具体的に伝えます。

我が家の室内は土足禁止で、ホウキも室内用とテラス用で分けています。
何も伝えなかったら室内用に購入した新品のホウキがテラスの掃き掃除に使われて、
真っ黒になりました。

定期的に来ていたお手伝いさん専用の室内履きを用意しておいたら、
コンドミニアムの外の公道にあるゴミ捨て場に、室内履きのまま出ていました。

chia

自分にとっての当たり前が、相手にとっての当たり前だと思わないこと!

頼みたい清掃業務は、紙に書いてリスト化しておきました。

仕事が早く、愛想よく信頼できるハウスキーパーは、予定が埋まっています。
当然のことながら依頼主が人選するのと同時に、依頼主も1人ではないので選ばれますよね。
お互いにとって幸せな出会いがあるといいですよね。