イタリア語は話せないけれど、イタリアで働きたい!というイタリア移住者に向けて、
今回の記事を書きました。
海外就職、しかも非英語圏の国での就活事情ってどうなの?
「海外で働きたいけれど、現地語ができない。でも、チャレンジしたい!」という方は
是非この記事を読んでくださいね。
結論から言うと、イタリア語ができなくても就職は可能です。
私がイタリアで就職・転職活動を通して実際に見てきたことを元に解説して
いきます!
タップできる目次
イタリア語は話せなくても就職できる
私は、これまでイタリアで3社で働いてきました。
面接を受けた企業は10社以上。その時に採用に関わってくれた人達など、
イタリア語が話せなくても、現地就職している人を見てきました。
「イタリアで働くなら、取引先とイタリア語で交渉できるレベルのイタリア語を習得しなければ
就職活動のスタート地点に立てない」と思っている方。
イタリア人と同じ土俵で勝負しようとするより、
自分にとって有利なポジションを狙って仕事を探すことを、私はおすすめします。
イタリア語が話せなければ、エントリーできるポジションは限られます。
だからって、諦めることはないんだにゃん
まずは労働環境に飛び込んでみること。
そこから仕事を通して、必要なイタリア語を学んでいけばいいのです。
職歴とイタリア語を身に付けていけば、より就きたい職や好条件の職に
将来的に転職することもできますよ。
日本語だけで働けるか?
「英語もできないけれど、日本語だけで働けるの?」
という方には、以下のような仕事があります。
イタリア語初心者が働ける職5選
日本食レストランのホールスタッフ
日本食レストランは、日本人オーナーの店であることも
イタリア人オーナーの店であることもあります。
日本人オーナーの店の求人は、イタリアに住む日本人向けの掲示板に掲載されています。
求人の掲載もある情報掲示板については下の記事に書いています:
オーナーが日本人の場合、先に移住した日本人が
後から移住してきて仕事に困っている日本人の足元を見て、悪い条件で働かせる
「海外移住搾取」の話も聞くので、注意してください。
悪い話ばかりでなく、いいオーナーに出会って活躍している日本人の友人もいます。
ここ数年イタリアには、寿司屋の他にラーメン屋が増えています。
日本食に情熱を持った、イタリア人オーナーが経営する店もあります。
日本人スタッフが働いていることは、店にとって好印象になります。
スタッフ募集があるお店を、自分の足で探してみてください。
またイタリアには、中国人オーナーが経営する日本食レストランも多いです。
イタリアの求人検索エンジンで募集を探すといいでしょう。
日本食レストランの料理人
料理人の方は、イタリアで特に仕事を見つける期待ができます。
特に寿司レストランの求人が多く、寿司職人は❝sushiman❞と言います。
求人検索エンジンで❝sushiman❞と検索してみてください。
2~3年の料理人の経験が求められることが多いので、応募条件を確認してください。
住宅を用意してもらえるオファーもあります。
イタリアの求人検索エンジンのサイトについては下の記事をご覧ください:
美容師
日本人美容師は、技術が高く仕事が丁寧です。
スキルを評価されて、イタリア人が経営する美容室に雇用された美容師さんを知っています。
ミラノには、日本人経営の美容室があります。
私もミラノに住んでいた時に通っていて、日本人客やイタリア人客がたくさん訪れていました。
ローマとフィレンツェでも日本人が美容室を経営していると聞きました。
開業の時にイタリア語のサポートをしてくれる知人がいるなら、サロンを開くこともあり⁉
家事代行
お掃除サービスの仕事をしたい人と、掃除をしてくれるお手伝いさんを探している人の
マッチングサイトがあります。
仕事が早く、真面目で信用できる人柄であれば、継続の仕事も期待できます。
イタリアの家事代行マッチングサイトについては以下の記事に書いています:
キッチン補助
飲食店の厨房で、皿洗いや調理補助をする仕事を
❝lavapiatti aiuto cuoco❞と言います。
イタリアの求人検索エンジンで、上記のキーワードを入れて探してみてください。
イタリア語が求められる場合は、求められるレベルが書かれていますが、
イタリア語について何も書かれていない募集もあります。
イタリアの求人検索エンジンのサイトについては下の記事をご覧ください:
ただし、イタリアの求人検索エンジンに掲載されるレストランの求人は
イタリア語で書かれています。
エントリーや面接もイタリア語で行ないます。
家事代行の雇用主とのやり取りも、イタリア人の家で働くならばイタリア語。
日本食レストランのホールスタッフや美容師も、接客に最低限のイタリア語が必要です。
イタリア語初心者でも、積極的にイタリア語の求人を翻訳して読み、面接に必要なイタリア語を学び、仕事をしながら接客に必要なイタリア語を吸収していく力がなければ、難しいです。
指圧はイタリアでも❝shiatsu❞として知られ、指圧師・マッサージ師も需要があります。
しかし、イタリア人が経営するスタジオはセラピストが1人で運営している店が多く、
募集はありません。
イタリア語が分かる知り合いに開業のサポートをしてもらい、開業する手もありますね。
ただし、営業や接客に多少のイタリア語は必要になるでしょう。
英語で仕事をする
ビジネスレベルの英語を習得している人は、オフィスワークの仕事を
見つけることも可能です。
私がエントリーしたことがあるポジションは、以下の4つです。
海外営業・カスタマーサポート
主に、グローバル展開するメーカーでの仕事。
イタリア企業や日系企業が、海外営業やカスタマーサポート業務の募集をしていました。
コンサルティングファーム
ミラノやローマにあるグローバルコンサルティングファームのイタリア法人が、
日本語ネイティブ向けの募集をしていました。
Webマーケティングスペシャリスト
オンライン販売のプラットフォームを運営するイタリア企業が、
日本市場向けのWebマーケティングスペシャリストを募集していました。
エディター
オンライン販売のプラットフォームを運営するイタリア企業が、
エディターや翻訳者を募集していました。
グローバル企業では、日本・中国・韓国など東アジアがひとつの商業圏として扱われる
ことが少なくないです。
英語+日本語、さらにビジネスレベルの中国語や韓国語ができる人は有利です。
就職に求められるイタリア語のレベル
イタリア語を学びながら就職活動中の方や、
これからイタリア語を学んで仕事を探したい方が気になる、就職で求められるイタリア語のレベル。
EUには、A1からC2まで、計6段階でレベルを定める言語の評価基準があります。
A1 基礎 | A2 初級 |
自己紹介や他者の紹介ができ、個人的な話題(どこに住んでいるか、何を持っているか等)について質問し回答できる。 | 身近な話題(例えば家族、買い物、仲間、場所、仕事等)に関する言い回しや表現を理解し使うことができる。 |
B1 中級 | B2 中上級 |
日常生活のなかで頻繁に遭遇する場面で適切な言葉が使え、イタリア旅行が問題なくできる。 | 日常生活の、より広範囲な場所に対応でき、また勉強や仕事において的確に意志の伝達ができる。 イタリア語の授業を約250–300時間受講したレベル。 |
C1 上級 | C2 最上級 |
日常生活のみならず公の場面や仕事でも状況に適したイタリア語を使いながら意志の疎通ができ、イタリアの機関や企業等と口頭および書面で交渉することができる。 | 公式、非公式のあらゆる状況だけでなく、仕事上でもコミュニケーションがとれる。ネイティブスピーカーと同等の能力を求めるものではありませんが、イタリア語を自由自在に使いこなす語学力が必要です。 |
イタリア永住許可を申請するにはA2が必要になります。
B2でイタリアの大学入学時のイタリア語試験が免除されます。
B2・C1のレベルがあると、就活に有利です。
実際の就職活動では、イタリア語検定試験に合格している必要はありませんでした。
業務をこなせるイタリア語能力があるか、面接中のコミュニケーションで判断されました。
言語のプロフェッショナルを目指すのであれば別ですが、
一般的に採用側の関心は検定の合否でなく、一緒に仕事をしていけるコミュニケーション能力の
有無です。
イタリア語検定は、就職活動には必須ではないです。
検定を受けたことがなくてもビジネスに通用するレベルの自覚があるなら
履歴書には❝fluente❞と書けます。
イタリアの就労ビザについて
イタリアで働くには、就労許可が必要です。
留学生に与えられる就学目的の滞在許可証では、週20時間までの労働が認められています。
フルタイムの仕事目的で日本からイタリアに移住する場合は就労ビザの申請が必要です。
通常のステップは、以下の通りです。
イタリアの雇用主から、雇用契約を得る
雇用主が労働者に代わって、労働許可の申請書類を提出する
日本のイタリア大使館または領事館で、就労ビザを申請する
イタリアに入国後、就労ビザを滞在許可証に切り替える
私自身は、イタリア移住は就労目的でなくイタリア国籍の夫との婚姻でした。
私のようにEU国籍の配偶者がいる場合は、家族用の滞在許可証が与えられ、
労働時間の制限なく、働くことができます。
私がこれまで出会ったイタリアで働く日本人の中には、
『留学生として大学や語学学校に通う→在学中に仕事を見つけて就労目的の滞在許可に切り替え』
というルートのチャンスを掴んだ人もいました。
海外で就職すると決めたなら、「できない」理由に目を向けることは止めて
「できる」にフォーカスして情報を掴むこと!
必ず道は開けますよ。
イタリアで仕事を探したかったら、イタリア語ができないと難しいかにゃ?